専修大学北上高校は2023年春から、ひとりひとりの「未来を創る学びの場」として新しい校舎づくりのプロジェクトがスタートしました。
多様な人が自然と集い、認め合い、学びあう。
ひとりひとりに、そして、地域にも地球にも優しい校舎となります。
「未来を創る学び」を進めるためのご支援をよろしくおねがいします。
<新校舎の特徴>
●未来を創る学びの場
それぞれの自律的な学びの実現に向け、ICTの効果的活用と連携・協働での学びが自然と生まれる校舎です。
デジタル機器を各教室で活用できる状況であることはもちろん、アクティブラーニングルームの複数設置、自ら学ぶ拠点としてのラーニングコモンズ(新図書館)の設置、教室と廊下を一体的な活用など、多様な学びの実現につながる環境が生まれます。
●明るく、シームレスな校舎
これまであった第1校舎と第2校舎の高低差がなく、教室間の移動が行いやすくなります。また教室の他にも、ピロティ、ホール、ラウンジ、テラスなど大小様々な居場所や、校庭側に張り出した円弧状の階段、テラス、雁行型の教室配置により生まれる異形の廊下も設けて、生徒と生徒、生徒と教職員の日々の出会いを促し、発見を生み出します。
●ダイバーシティ&インクルージョン
生徒と生徒、生徒と教職員、さらに地域住民がともに暮らすことを通じて、自らの個性を再認識できる「人が人に出会う場所」をつくり、色々な個性を分け隔てなく受け入れる「広場」のような場所をつくります。
また、いろいろなちがいへの配慮としては、トイレは、生徒、そして地域の皆さんそれぞれのちがいにあわせ、使用時のストレスをなるべく低減されるように、場所に応じてトイレのレイアウトを変えるなどの工夫がされています。また、エレベーターも設置され、各階もフラットにすることで、移動もしやすい状況になります。
案内・サイン等のデザインもちがいに配慮したものとし、みんなが交流しやすい環境をつくります。
●地域連携拠点として
地域とつながる学びの実現に向け、正門の近くに「アクティブホール」を設置するほか、視聴覚室や体育施設なども地域の皆さまとの共用を意図した設計となっています。学び、スポーツ、ビジネスなどいろいろなかたちで地域の皆さんとの交流の場が生まれ、新しい学び、新しい価値が生み出される校舎です。
●地域防災拠点として
災害時の一時避難所施設として、停電時での緊急電源の確保や、地域内の下水機能が破壊されても排水経路を切り替えて対応できる施設など、緊急時にも地域の皆さんが安心して避難できる環境をつくります。また、普段からの地域の皆さまとの交流により、生徒・住民の皆さんの双方が緊急時でも助け合える関係をつくります。
●地球にやさしい校舎
屋根や壁の十分な断熱、南側、西側の庇で空調負荷を低減します。吹き抜けや室内高低差を利用した自然重力換気も活用し、高効率空調機器を採用することにより従来の学校の3割程度の二酸化炭素削減につなげます。さらに屋上のソーラーパネル設置するなど、環境負荷低減に向けた工夫をしています。
●安全・安心・保健・衛生
教室内を含む校舎全体の換気能力を高めるほか、各階にはトイレとは別に手洗い等ができる流し台を設置するなど、感染症対策を行いやすい校舎です。また、緊急時の導線に対する工夫、地域利用を意識したセキュリティラインの設置など、安心・安全に過ごすための配慮がなされています。
<設計概要>
1) 委託者:学校法人北上学園 理事長 宮岡孝之
2) 受託者:渡辺・NASCA・アトリエR 設計共同体
代表事務所 株式会社渡辺設計事務所 中村司 渡辺俊彦
構成員 有限会社ナスカ 古谷誠章
構成員 建築舎・アトリエR 六本木久志
3)協力者:構造 株式会社星野建築構造設計事務所 星野修一
電気・機械設備 株式会社設備計画 中村滋宏
4)構造
建築規模:地上4階+PH階
建築種別:鉄筋コンクリート造
5)延べ床面積
総面積 5145.99㎡
(1階:1416.74㎡ 2階:1006.80㎡ 3階:1441.91㎡ 4階:1280.54㎡)
6)事業総額 21億円